太陽の塔 (新潮文庫)

太陽の塔 (新潮文庫)

おもしろかった。
友達が京都の大学行ってて、京都の大学にかっこいい人はおらん!と言ってたけど、あながち嘘じゃないみたいだなぁと、この小説を読んで実感しました。
京都の大学通ってる人見てたらすいません。
研究と言う名のストーカー行為やら、どこから沸いてくるのかわからない根拠の無い自信やら、悲しいくらいの冴えない生活やら、どうしようもない人だけど、最後にはちょっと切なくなって、少し愛しさすら芽生えてしまった。
森見さんの小説に出てくるキャラって、どうしても憎めない人ばっかりだよなぁと思う。
現実と妄想世界の切り替えがあやふやな感じとか、笑えるポイントを多々入れてくるところとかもすごく好きだなぁ。
森見さんのおかげで文学少女になれそうです。
今度わたしに会う時、手ぶらで片手に文庫本だけ持って現れたら本物だと思ってください。

私的笑えるポイントは、
自ら梱包したゴキブリキューブを返されて見事ひっかかって、その後の掃除の一連の流れをわざわざご丁寧に書いてくれてるところと、
水尾さんの「私、部屋によけいな物が増えるのは嫌です」と、
「ええじゃないか騒動」真っ只中
あたりでしょうか。
水尾さんのセリフはいつか使ってみたい。
余計なものだらけの部屋にいるくせに。